< エンゲージメント調査を活用した働きがいのある会社づくり >
従業員がいきいきと働ける職場環境は、企業の成長を支える基盤です。エンゲージメントが高い企業では、従業員の生産性が向上し、離職率が低いという結果が出ています。
「働きがい」を感じる職場は、単に従業員の満足度を高めるだけでなく、イノベーションや競争力の向上にも寄与します。ところが、多くの企業では従業員の本音や課題が見えにくく、解決策を見つけるのが難しいという声も少なくありません。
今回は、エンゲージメント調査の重要性や具体的な実施方法、成功事例をご紹介します。
1 エンゲージメント調査
(1)調査の概要
エンゲージメントとは、従業員が仕事や組織に対してどれだけ積極的に関わり、貢献したいと感じているかを示す指標です。これらを把握することで、企業は従業員のモチベーションを高め、より働きがいのある職場をつくるための改善策を見出すことができます。
仕事への満足感が高い・・・
自分の仕事に意義を感じ、充実感を得ている。
組織への信頼が高い・・・
経営方針や職場環境に満足し、組織への帰属意識が高い。
キャリアへの期待が持てる・・・
昇進やスキルアップの機会があり、将来に希望を持てる。
(2)調査の目的
調査の目的は、従業員の「声なき声」を聞き取ることにあります。エンゲージメントの低い職場では、次のような課題が浮き彫りになっています。
離職率の増加・・・
特に若手従業員の離職が多い。
生産性の低下・・・
業務への集中力や創造性が欠如している。
職場の不和・・・
コミュニケーション不足や信頼関係の欠如が目立つ。
一方、エンゲージメントが高い職場では、離職率が低下し、生産性や顧客満足度が向上することが報告されています。たとえば、従業員満足度を高める施策を実施した企業で、3年以内の離職率が30%から15%に改善したケースがあります。
(3)調査の実施方法
エンゲージメント調査を実施する際の具体的なステップを解説します。
@調査対象の選定
全従業員を対象とする場合、データの偏りを防げますが、
規模が大きい場合は部門別の調査も有効です。
A調査項目の設定
調査項目の設定例として、次のようなものがあります。
・仕事のやりがい
・上司や同僚との関係
・労働環境(勤務時間や福利厚生)
・キャリアアップの機会
B調査方法の選択
オンラインアンケートは手軽で集計もしやすく、匿名性が
確保できます。また、インタビューやフォーカスグループ
は深掘り調査に適しています。
(4)調査結果の分析と施策への落とし込み
調査結果を効果的に活用するためには、次の手順を踏んでいくと良いでしょう。
@データの可視化
必要に応じて図やグラフを使い、回答を直感的に把握でき
る形式で、分かりやすく整理します。
A課題の特定
「上司への満足度が低い」「キャリア支援が不足している」
など、調査データから明らかな問題点を洗い出します。
B優先順位の設定
すべての課題に一度に取り組むのではなく、影響が大きい
ものから着手します。
C改善施策の立案
具体的な例として、次の施策が挙げられます。
・フレックスタイム制やリモートワークの導入
・社内コミュニケーションツールの導入
・キャリアパスの可視化
2 具体的な施策
エンゲージメントを向上させるためには、従業員一人ひとりが職場で「やりがい」や「満足感」を感じられる環境をつくることが重要です。
3 エンゲージメント調査を上手に活用するためのポイント
エンゲージメント調査を効果的に行い、結果を職場改善につなげるためのポイントを掲げます。
@経営層のコミットメント
経営層がエンゲージメント向上に積極的に関与する姿勢を
示すことが重要です。
A調査設計の明確化
調査の目的を明確にし、それに基づいて調査項目を設計し
ます。「職場環境」「キャリア支援」「コミュニケーション」
など、従業員が働きがいを感じる要因を網羅する質問を設
定します。
B匿名性の確保
従業員が正直な意見を述べられるよう、調査の匿名性を確
保することが大切です。
C共有とフォローアップ
調査結果を可視化し、従業員全体で共有します。その後、
具体的な改善策を実行に移し、定期的に進捗状況を確保し
ます。
従業員の声が施策に反映されると、さらなる信頼感につな
がりやすくなるでしょう。
詳しい内容は、事務所だより5月号に掲載しておりますので、ご参照ください。
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